• テキストサイズ

†夏目友人帳† ​~新友人帳物語~

第13章 ◆本音の絆





「 何を言っているんだい夏目。

静司のように

さなちゃんを式に見張らせていただって?


・・・私はプライベートを侵害するような

そんな手段は取らないさ。」




ニッコリといつもの笑顔で

夏目の肩にポンと手を置く名取。



「 ・・・。」



先程の夏目と的場のやり取りを

一部始終聞いていたようで、

名取にも向けられた

夏目の疑いの眼差しを撤回させるように

名取は自身の無罪を主張するが、
















「 ・・・私は札に教えてもらったんだ。」






夏目に向ける屈託のない笑顔のまま

人差し指と中指に挟んだ人形の札を

ヒラヒラと見せる名取。







「 ・・・。






・・・って、


めちゃくちゃ見張ってるじゃないですか!」





思わず、

肩に乗せられた名取の手を振り払い

またもや声を荒らげる夏目。



・・・ここまで来れば

夏目は止まらなかった。




「 大体、

札だろうが式だろうが関係ありませんよ!

二人共のそれは、ストーキング行為

と言う立派な犯罪行為ですっ!



もっと普通に

見舞いに来てください!」




捲し立てるように言い放つ夏目が

ゼェゼェと荒い呼吸を繰り返す。




「 まぁまぁ、夏目

そんなに怒らなくても。


・・・さなちゃんは

ずっと眠っていただろう?


私生活を覗いていた訳じゃあるまいし・・・」



「 ・・・そうですよ。


それに、

彼女が目覚めてから見舞いを行う方が

効率も良いでしょう。」




夏目の言葉に何一つ

己の意思を変えない大人二人に

反省の色は皆無である。




「 ・・・。」



そんな二人を前に

もう出る言葉もない夏目が

頭を項垂れさせて大きな溜息を吐いた。




そして、少しだけ静かになる病室内





「 ふッ・・・」






そこに、小さく吹き出すように笑う

さなの声が響き渡った。





「 ・・・?」



「 なんだい?」


「 何か、可笑しな点でも?」





振り返る夏目が首を傾げ

名取と的場は笑顔のまま

さなに問い掛けた。





/ 406ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp