第2章 初デート〜White Love〜
ーSide 高尾ー
今日はクリスマスイブ。部活帰りに、大好きな彼女の夏美と初デートに行く約束をしていた。
部活で疲れてねーと言えば嘘になるけど、それ以上にあいつと一緒にイブを過ごしたくて堪らなかった。
夏美は高1の2学期アメリカから転校してきて、通学中にチャリ同士がぶつかり合ってそこで出会ったんだ。
そこらの芸能人を超えるぐらいのあまりの美少女っぷりに俺は生まれて初めて一目惚れをした。
しかも同じクラス、部活になって運命感じちゃって、俺は早速猛アタックをしまくる。
絡んでいくうちに顔だけじゃなく、内面もいいとこと悪いとこ含めて段々好きになっていた。
…それからは本当に色々ありまして、出会ってから1年で俺達はやっと付き合えることになった。だけど苦労した分、得た幸せはマジで大きい。
話をデートに戻すと、あいつん家は門限があるからダメかなと思ってた。
けど夏美が親を説得してくれたらしく、今朝嬉々として俺に許可を貰えた事を報告してくれたんだ。
あの時の夏美の無邪気で嬉しそうな顔とはしゃぎ様に俺もつられちまって。
…マジで可愛かったぜ。
そんで、あまりの嬉しさのせいか今日の部活で俺はいつも以上の精が出て更に上機嫌。
だがそのせいで冬なのに、汗を結構かいちまうし、髪も乱れちまった。俺はせっせとパウダーシートで体を拭いてワックスで急いで整える。
真ちゃんは今日は居残り練習をせず、制服に着替えて俺を待っていた。
「わりぃ、真ちゃん!今日約束あっから、先帰っててくんね?」
「…ふん。別に待ってなどいない。じゃあな。」
「お、おう。じゃあな。」
(ありり?真ちゃん、機嫌悪くね?)
だけどそんなに構ってる余裕はなくてそのまま奴を見送った。しかも準備に手こずっていると最後に来た後輩達にも先に帰られて、体育館の鍵を返す羽目になって遅くなった。
(やっべー!!夏美のやつ絶対怒ってるよ。)
俺は急いで愛しい彼女の元へと向かった。