第12章 苦さと、甘さと
No Side
なんとかして聞きたい3年生
なんとかして言いたくない藍蘭
澤「菅に言うみたいにさ。」
藍蘭「できないってば。」
澤「じゃあ、最初はグー…」
藍蘭「えっ?」
澤村の掛け声に反応して
とっさに出してしまった手はグー。
ニコニコとしている澤村はパー。
澤「負けたら、呼んで?」
藍蘭「それ先に言ってないから無効!」
澤「忘れてた忘れてた。」
藍蘭が悶々としていると、
澤「そうか。無理は、させたらいけないよな。強要しても、悪いしな。ごめん、藍蘭。」
澤村が謝ったのだ。
藍蘭(そう言われてしまうと、なんだかこっちも申し訳なくなってしまう…。)
藍蘭「こっちも中々言い切れなくてごめんなさい……」
口がその先を言おうとして、動くが
声が出ないため、何を伝えたいのかわからない。
藍蘭「だ、いち、あさ、ひ。ごめん、ね」
藍蘭から出た、普通の言葉に感動する2人。
少しだけ耳を赤くした1人。
頑張った、頑張った。と、笑顔で見る1人。
ここにきて、新たな関係がまた生まれた。