第10章 一週間は終わりを告げる
赤葦
話せない。
この日常が、こんなにも辛いのだろうか。
あれから俺と藍蘭さんは、
距離ができてしまったまま、最後のセットを迎えていた。
こう、思っているのは自分だけではないことを願いながら、
エースにトスを上げる。
反対コートで烏野は試合をやっていて、
ベンチには、彼女がいる。
木「あかーし!余所見とは、許せんっ!」
うちのエースは、昼に彼女と話したからであるのか、
調子がいいからなのか、それとも両方なのか、
とても機嫌がいい。
赤「…スイマセン。」
とはいうが、
どうにかして話せる方法はないのだろうか。
そのことばかりが、頭の中を渦巻いていた。