第6章 想う猫への答
藍蘭
「好きになっちゃうじゃないですかっ…」
あぁ、なんて事を口走ったのだろう。
彼も信じられないという顔をしている。
キス……まで、して。
こんな女をなんて思うだろう。
やっぱり、嫌われる、かもしれない。
此処まで醜態を晒せば、引くだろう。
羞恥心からか、自然と口元に手を添える。
藍蘭「お、おやすみなさいっ赤葦さんっ!」
とにかくその場を離れたくて、
身を退くと、急いで立ち上がり、その場を離れた。
部屋に戻る気にもなれなくて、
気がついたらいつの間にか、最上階の何処かの教室の前にいた。
静かに戸を開けると、窓から空が見えた。
家から見る空よりも、星が少なくって
なんだか淋しい気持ちになった。
藍蘭「なんであんな事、したんだろう…。」
自身でも驚くような言動をしてしまった。
自分の声だけが余計に響いた。