第5章 行く手を阻まれ揺れる想いは
藍蘭
はっきり言ってしまおうか。
全部を?
それは彼らの事を考えていう事であろうか。
言ってはいけない。
だがしかし、どういう言い方をすれば
いいだろう。
「藍蘭、どうしたの?」
藍蘭「あっうん。2人に会ったよ?」
これは本当。
これなら大丈夫。
「やっぱり!だと思ったー。でもさ、こんなに…」
藍蘭「こんなに…?」
「んーなんだろ。2人を感じないよなーって。」
藍蘭「感じない?」
「うん。主張されすぎてる…?上手く言えないけどさ。」
彼女は笑っていた。
本当に、疑問に思っているからかな?
藍蘭「なんだろね。私もわかんないよ。」
笑って誤魔化した?事になるのかな。
谷地「月島さん達と、何かありました?」
耳打ちをする様に聞いてくる。
安心させる様な笑顔で、
なんでもないよ。
とだけ返して、飴を出す。
藍蘭「やっちゃん、食べる?」
と聞くと、
谷地「ハイッ!いただきます!」
と明るく返事をしてくれた。
やっちゃんに飴を渡して、
ノートを開く。
藍蘭「明日は、どんな事やろうかな。」
なんで笑顔を浮かべながら明日のメニューを考える。
明日明後日には話せないあの人への言葉を考えながら。