第15章 焦りと不安と幸せ

藍蘭


京治くん、どうしたの？

急にこんなことするなんて、らしくないのに。

苦しい。

助けて。


息が…できない……。









京治くん…………






朦朧とした意識の中で、私の名前が呼ばれる。


バッと勢いよく顔を上げても、
まともに顔が見れない。

ポツリポツリと、彼は喋り始める。


優しく抱きしめられた。


たくさんのごめんをもらった。




藍蘭「大丈夫。でも、怖かった。
もう、京治くんのこと嫌いになっちゃうんだから。」


本当に怖かった。

痛かった。


だけど、本当に嫌いになんかなれない。


せめてもの抵抗で、ちょっとだけ叩いてみたけど、
力も入らないし、私なんかの力だったら
なんてことないだろう。



みっともないところは見せたくないけど、
京治くんを離したくなくて、ぎゅっとくっついてみたり。

みっともないっていうか、結局子供っぽいとこを見せてしまった。


好きっていうと、バカって帰ってきた。

理由を言った後、彼はありがとうと言ったけど、
なんだか不安そうな笑顔だった。





そんな京治くんは放って置けない。






側にいたい。