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300Kmと0㎝

第3章 何も知らない猛獣は



リエーフ

黒尾さん、あの子のこと好きなのかな?

彼女を烏野に返した後、
廊下で一人考えていた。

でも、あの梟谷?の人もなんか見てたよな
あの状況なら、誰でも見るか…?

様々な憶測が脳内で飛び交う。

「あっ!リエーフ!!」

呼ばれた方を見る

灰羽「日向!」
日向「さっきは、藍蘭先輩ありがとな。」
灰羽「先輩だったんだ。タメだったなー…」
日向「大丈夫。多分気付いてないから。」
灰羽「そっかー。」

日向が手に持っていたボールを手に取る。
軽くオーバーをしてみる。

灰羽「あの人も、軽かったなー…。ってか、大丈夫だった?」
日向「大丈夫だったって何が?」
灰羽「いや、熱中症とかさ。」
日向「バリバリ働いてたよ?」
灰羽「そっか。」

ボールを日向に返す

日向「…気になんの?」
灰羽「…別に」
日向「好きなの?」
灰羽「…いや。ってなんで?」
日向「気にしてんなーって思って。」

翔陽の言葉に深い意味はないはずだけど
少し考えてしまった。

灰羽「日向は?」
日向「んー…どーだろ。わかんないや。」

笑っていうから、本当にそうなんだと思う。

灰羽「日向は、恋もわかんないか。お子ちゃまだなー」
日向「そーゆーことじゃないだろっ!」
灰羽「じゃ他の二人?」
日向「ちがうって!それとこれとは別だろー!」

なんてやりとりをしてると、ホイッスルが聞こえる。

灰羽「よーいっどんっ!」

体育館に向かって走り出す。

日向「あっ!ズルいぞ!!」

負けじと日向も走り出す。

こんな風にしていると
考え事はどこかへ飛んで行って
大好きなバレーでいっぱいになった。
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