第13章 見つめる先にあるものは
No Said
藍蘭「ねぇ、いつから気づいていたの?」
先ほどの木兎らのことを尋ねる
赤「まぁ、俺がいなくなったのに気づいて
すぐ追いかけてきたのはわかりました」
藍蘭「気づいてたのにあんなこと言ったの?」
赤「そうですね。」
淡々と答える赤葦にほおを膨らます藍蘭
藍蘭「はずかしいじゃない」
赤「みなさんの前で藍蘭の言葉が聞けたので
結果オーライです」
答えになっていないっと言い返す藍蘭の頭をポンと撫でる
赤「だから、愛してる、はまたの機会ですね」
呆気にとられた顔をして
赤葦を見ている
驚きすぎて真っ赤になるという藍蘭の
性質までもが停止していて
藍蘭「そんな、大層なこと、言ってくれるの?」
恐る恐る聞いた彼女は少し俯いた
赤「もちろん。藍蘭が望むなら何度でも。
でも、初めてはもっと大事な時に言うよ」
歩みを止めて、少し後ろに立った藍蘭は
もう一方の手で裾をギュと握る
そして、消え入りそうな声で呟いた
藍蘭「京治にそう言ってもらえる様な
女の子になるから、ね」
赤葦は、そっと腕の中へ引く
赤「また、泣いてるの?」
藍蘭「違う!これは、嬉しくてっ…」
赤「嬉し泣きね」
藍蘭「泣いてないってば」
目尻を拭いながら、太陽みたいに笑った