第14章 君への想いと花言葉

「……そうなんですねィ」

「……」

　神楽は胸を押さえた。

（どうしよう……）

　ーー1番気付かれたくなかった奴に気付かれてしまった。
　神楽は立ち上がってこの場から離れようとしたが、動くことができなかった。

「……相手は誰でィ？」

「……」

　ーー言えるわけない。

「旦那かィ？」

　神楽は黙って首を振る。

「……土方のヤローかィ？」

　また、黙って首を振る。

「……じゃァ、誰でィ？」

「……言えないアル」

「……俺には話せない奴ってことですかィ？」

「そうアル」

　ーー当たり前だ。ーーお前だなんて言ったら、この男はどんな反応をするかわからない。

「……チャイナ……」

　沖田は神楽の目線の位置までしゃがんで、まっすぐ神楽の目を見て口を開いた。


「好きですぜィ」


「……え……」

　神楽は一瞬、何を言われたのかわからなかった。

「今……」

「だから、その……神楽のことが好きって言ったでさァ」

「……」

（どうして……）

　ーーどうしてそんなこと言うのだろうか……。
　沖田は悲しそうな顔をして笑った。

「お前が好きなのは俺以外の奴だろィ？　だから、そいつと両想いにならないとお前は死んでしまうでさァ」

「……」

「だけど……俺も男だから、気持ちを伝えないのは嫌なんでィ」