第7章 神楽のイタズラ
side.神楽
放課後……誰もいないはずの教室に奴はいた。
「……何でこんなところで寝ているアルカ……」
神楽は掃除を終えて教室に荷物を取りに来たら、沖田総悟が神楽の席で寝ていたのだ。ーー沖田にとっては嫌がらせかイタズラのつもりなのだろうが……。
「……ハァ」
神楽はため息をついた。
いつもイタズラばかりしてくるこいつに神楽は少なからず惹かれていた。
「……」
(仕返しくらいしてもいいアル……ヨネ?)
辺りをキョロキョロと見回して、誰もいないことを確認した。そして……。
「いつもの仕返しアル」
神楽は立ったまま、沖田に真正面から抱き付いた。それから、沖田のおデコに自分のおデコを付けて、犬がするようにスリスリと擦り付けた。
(起きたら殺す……)
気が済むまでそれをやってから、神楽は沖田を起こさないように離れた。そして、走って昇降口まで向かった。ーー顔を真っ赤にして。
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