第3章 君の傘になる
ピクッ
「あ〜あ〜、暑いからアイスも買ってやろうと思ってやしたのに」
ピクピクッ
沖田は神楽の反応を見て、ニヤリと笑った。
「どうしやす? 一緒に帰るかィ?」
沖田は神楽に近付いた。
コクンと1回頷いて、神楽はおとなしく沖田の隊服の中に潜った。ふわりと沖田の匂いがした。
「……お前、結構いい匂いするアルナ」
「洗濯は毎日出してるんでィ。そんなの当たり前でさァ」
そう言うと、沖田は自分の隣にいる神楽の頭の匂いを嗅いだ。とても甘くて、女の子らしい匂いがした。
「……お前もなかなかいい匂いするじゃねェか」
優しく微笑んで、沖田は神楽の頭から顔を離した。
「そんなの当たり前ネ! 毎日ちゃんと頭洗ってるからナ!」
「……洗ってなかったら、殺してまさァ」
そんなたわいもないことを話しながら、2人は仲が良さそうに歩いていた。
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