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この命、君に捧ぐ
第12章 消えた彼
「染みるけど我慢、してくださいね」
「...ってぇええ。染みる....」
半泣き状態。
そ、そんな大げさに....
「俺、消毒液苦手だ。これ、めっちゃ染みるし、何よりツーンってするよ」
手当てを終え、救急箱をなおす。
彼の体は包帯だらけだ。
「...どうして、血まみれだったんですか」
「うん、ちゃんと話そぉね。不安になるだろうし」
ニコッと安心できるような微笑みを浮かべ、目まで伸びた前髪を右斜めに赤ピンで止める。
そして真剣な目に変わり、彼は話始めた。
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