第4章 痣の正体
「君が僕のせいで狙われてる」
「う、そ。だって私....」
そんな漫画みたいな展開、あるはずないんだ。
だって私は普通の人間だよ?
狙われるようなこと、してないし....
「さっき、窓ガラスが割れたでしょ。」
そういえば、物を放り投げてはいたけど窓ガラスを割るようなものは投げていない。
「それにその痣」
彼は私の手首を掴んだ。
十字架の痣が濃くなってきていた。
痛みはないものの、この痣はなんなのか。
よく分からないないから気味が悪く思っていた。
「ちゃんと思い出して、昔のこと」
真剣な眼差しに、私は思い出せる根拠もないのにコクンと頷いてしまった。