【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第12章 お泊り
「よかったら、家泊まっていくか?もう暗いし」
その言葉に高杉は眉間に皺を寄せる。
「…お前それ本気で言ってんのか?」
「あ、いや…無理にとは言わないけど。親御さんも心配するだろうし」
「俺に家族はいねぇよ」
「え…あ、ごめん。…無神経だったな」
不味い事言ってしまったな…
気まずくなってしまい慌てて謝罪する。
「謝んな。その方がムカつく」
眉間に皺を寄せたまま高杉が言う。
「ごめん。あ…」
「…はぁ」
ついまた出てしまった謝罪に高杉が溜息をつく。
少し恥ずかしくなってしまったが内心嬉しさもあった。
そうか…俺と同じなのか。
同じく家族のいない八雲は心のどこかでシンパシーを感じてしまう。
「なら、家泊まっても問題ないだろ?送って貰ったお礼にご飯ご馳走したいし」
「お前、飯作れんのか?」
「まぁ、一人暮らし長いから」
高杉はしばらく悩むような素振りを見せるとふっと笑みを浮かべる。
「じゃあ、お言葉に甘えてそうさせて貰うか」
嬉しさに自然と笑みが零れる。
その顔をなぜか高杉は少し驚いたようにじっと見つめてきた。
「?…どうかしたか?」
「いや、お前さ…」
何か変な事でもしてしまったのだろうか。
少し不安になりながら見つめ返す。
「…何でもない。入るぞ」
「え、あぁ…」
結局何だったんだろ…。
モヤモヤしつつアパートの中へと入った。