【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第12章 お泊り
「体重い…頭痛い…」
「だから無理すんなっつったろ」
文化祭も終わり、片付けを終えた生徒達が帰り始めた頃、
酒の影響でうずくまっている八雲を高杉は呆れ顔で見つめていた。
「体調悪いくせに無理に動き回るからだろーが」
「だって、高杉と文化祭見て回りたかったし…」
「ったく、ガキじゃあるめーし」
高杉は頭を掻きながら少し小馬鹿にしたように言う。
その表情には少し照れ臭さが混じっていたことに、八雲は気付かなかった。
「お前、それで帰れんのか?」
「…多分」
「多分ってお前…はぁ」
呆れ顔のまま大きく溜息をつかれる。
「…仕方ねーなぁ」
少し考えると腕を掴まれ引っ張られる。
「ちょ…どこ行くんだよ」
「いいから大人しくついて来い。頭に響くぞ」
連れてこられたのは自転車置き場だった。
「送ってやるから乗れ」
「…ありがとう」
素直に自転車の後ろにまたがる。
「ちゃんと掴まってろよ」
「うん」
自転車が漕がれ高杉の制服の裾に掴まる。
久々の自転車の揺れと風が心地良い。