【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第6章 契約
「お前、俺と契約したよな?俺の玩具になるって」
嫌な笑みを浮かべたまま、高杉が続けて言う。
その言葉に体が硬直する。
確かに保健室でそんな事を言ったが…
「あ、あんなの、言わされて言っただけだ!お前が無理に言わせたんじゃないか!」
「へぇ…教師が約束破るのか?」
「あんな口約束、本気で言ってるわけないだろ!?それに、証拠なんてないだろ!」
校長ではないが、証拠がない限り動く気はない。
これからずっとこいつの玩具なんて…冗談じゃない!
「証拠…ねぇ」
ククッ、といつもの笑みを零しながら、
高杉はポケットからテープレコーダーを取り出す。
おもむろにスイッチを入れると、声が再生された。
『なる、なるからっ!玩具にでも何にでもなるから…も、イかせてぇ…!』
その声を聞いた瞬間、全身から血の気が引いた。
紛れもなくあの時の自分の声だ。
あの時高杉はポケットに手を突っ込んでいたのが気になったが、ずっと録音していたのか。
「これが証拠だ。これで契約書の代わりになるだろ。…それとも、他の連中にもこれ聞かせて聞いてみるか?これが証拠となるかどうか」
そんな事をされたら、本当に終わりだ。
あの教室はおろか、この高校にも居られなくなる。そんなの絶対に嫌だ!
「どうするんだ?決めるのは先生だぜ?」
高杉が悪魔のような笑みを浮かべる。
頭が真っ白になり目眩がする。…俺はこいつに従う選択しかない。