第5章 ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
リーマスはただ強く私を抱きしめた。
そのまま力なく膝をつく私に合わせ、リーマスもかがむ。
リーマスはずっと私を強く抱きしめる。
泣いているんだ....
「私は....これ以上何も失いたくない。リエルも、ハリーも.......だから行かないでくれ.......」
「リーマス....」
心のどこかから、熱がすーっとひいていくような感じがした。
「仇を討ちたい気持ちは痛いほどわかる。だが、君がそんな事をして喜ぶ人間はいない。」
「ありがとうリーマス....」
涙をこらえるようにリーマスは上を向いた。
「いいんだよリーマス。我慢しなくていいの。」
リーマスの方を向き、リーマスをそっと抱きしめる。
「リエル.......」
人に優しくするのは、きっと、そうしていないと自分が消えてしまいそうだったから。
優しくして、人に依存されるようにして、自分を形成しているから。
ずっとそうだった。