第8章 杉並区へ、目指すはアクア・カレント
「そいえばさぁ〜?私も心意使えるのになんで私に教えてもらいにこなかったかなあ〜?」
杉並区へ行くために乗っていた電車の座席に座って美織が言った。
現時刻は10時半、結構早く来てしまったが別に大丈夫だろう。時間余ったら観光でもすればいいし。
俺は美織のそんな言葉に皮肉げに言う。
「お前俺が最初に心意システム使った後も使えるような素振り全く見せなかったじゃねえか」
「うぐぅ...だってぇ、別に大丈夫かなあ〜って思ったので、【ISSキット】が流行ってたあの頃に使えれば心強いしいい護身法かなあーっと」
「...お前に教えを請うことがなくて本当によかったよ」
「むう...なんかバカにされてる気分...」
「いや、比喩抜きに馬鹿にしてっから」
「むかーッ!!??」
「どうどう」
「あ、あははは...」
そんな俺と美織の会話を美羽が苦笑いしながら見ていた。
同時にシルバー・クロウの通う学校である梅里中学校に最も近い最寄りの駅に着く。
「ほら美織さん、お兄ちゃんついたよ」