第2章 なんか妹の様子がおかしいのだが....
目の前に広がったのは崩れた落ちたコンクリートの残骸が所々に埋まっている黄金に染まる原っぱに立っていた。
「あれ?お兄ちゃん、グローバルネットのアバターのまま?」
「え?あ、れ?お、お前....その姿は...?」
「ああこれ?これはねブレインバーストのアバター姿だよ。ほら!この琥珀色の装甲とメープルの葉をイメージできるデザインが可愛いでしょ?」
確かに可愛い、F型特有の流れるような身体のラインに現実通りの大きさの胸、スリーサイズさえも目測だが一緒だ。
「あ!そうだったそうだった、アバターが生成されるのを1日待たなくちゃいけないんだったよ」
「そうなのか、だから俺はグローバルネットのアバター姿なんだな」
「うん。まあ能力とかは名前から大体わかるから加速し終わったら調べてみよ!お兄ちゃん」
「うん、でもあとこれ23分ぐらいあんぞ?」
俺は視界の上に表示されている2組のHPバーとSPバー、そしてその真ん中に位置する残り時間の表示を見て言った。
「...あ、そ、そっか。じゃあブレインバーストのことでも説明してよっか」
美羽はそう言うと俺の前に回り込み説明し始めた。
黄金に染まる原っぱに琥珀色の装甲が映えて可愛いなぁ!
そんなことを考えてるとは露知らず。
「改めて言うけどね、いま思考だけだけど加速してるんだよ?1000倍に、さっきのブルーワールドでも加速してられるのは30分なんだよ、現実で言うコンマ一・八秒ね」
「ふむ、それだけ時間があれば色んな角度から愛でられるなぁ.....グフフフ」
「あ、あれ?ふ、普通テストが満点取れるとかケンカに簡単に勝てるとかそういうの考えない....?」
「フッ、俺はそんな邪な事など考えんぞ!俺は!」
「....お兄ちゃん、お兄ちゃんが一番邪な事考えてると思うよ...」
美羽こと【アンバー・メープル】は呆れた声で言った。