第7章 やっと、レベル4に、なりました
「まずはあれを狩るよ〜!レッツゴー!」
そんな元気のいい掛け声を美織は言い、後ろを振り向いて俺と美羽に言った。
「さ、行って来て〜」
「俺!?」「私!?」
「そそ〜、2人で狩ってらっしゃあい!」
「まじで?」
「まじで」
美織の即答に隣に立っていた美羽/【アンバー・メープル】は肩を落としていった。
「はぁー、お兄ちゃん行こ。こういう時の美織さんの意見を曲げられるわけないだろうしさ、ね?」
「ま、まあ美羽がそういうのなら...」
不承不承と頷く俺、それを満足げに見て美織は追加していう。
「あのエネミーの名前は【ボルトピッグ】だよ〜!頑張ってね♪」
「く、今に見てろよ...」
「あ...が、頑張って行ってきますね...!」
「いってらぁ〜♪」
俺と美羽は含み笑いの混ざる声でそう言う美織のセリフを背後に【ボルトピッグ】に向かって歩いて行った。
10mほど近づくと【ボルトピッグ】がこちらを向いた。
どうやらエネミーの反応範囲に入ったようだ、暗い青と所々に鉄の装甲をボルトでとめたようなデザインの【ボルトピッグ】が『プギー!プギー!』と鳴いてこちらへ突っ込んできた。
スピードは特に突出したものはない、それを確認した美羽は皇羽/【バーニング・ウォーデン】の前に出て言った。
「お兄ちゃん!私がやるから後ろで見ててね!」
そんな美羽のお願いを皇羽が拒否できるわけもなく。
「わかったぞ!だが危なくなったら行くからな!?」
「だいじょぶだって〜!じゃあ行ってくるねー!」
そう言い元気よく駆け出していく美羽、俺はいつでも駆けつけられるように身構えながらも、結構楽観的に見ていた。
そして美羽の駆けながら引き絞った琥珀色の装甲の拳が突進する【ボルトピッグ】の頭突きと接触する。
瞬間、激突の反動で美羽も豚も後方に吹っ飛ぶ、しかし、驚くのはまだ速かった。
「え!?い、今ので体力が半分も!?」
美羽が反動で吹っ飛ぶさながら、そんな驚きの声をあげたのだ。
そしてなんとか受身を取る美羽、同様に【ボルトピッグ】も受身をとったようで愚直にまた突進してきた。
驚きが抜けきってなかったことが仇となり、もろにその突進を腹に受ける美羽。
琥珀色の装甲のアバターが宙を舞った。