第7章 やっと、レベル4に、なりました
『崩壊』というのはちょっと違うかもしれない。
どちらかと言うと『粉みじんに切り刻まれた』だ。
そしてステージ中、もっとも硬度のあるビルのオブジェクトを切り刻んだインパクトと瓦礫、破片と粉塵があたりに爆散して散る。
「うわああぁぁぁぁぁ!?」
「きゃあああぁぁぁぁぁッ!?」
俺と美羽の叫び声が重なる、現在、俺と美羽は瓦礫と一緒に吹っ飛んでいた。
暗くてなかなか見えないはずの地面がこれでもかと迫る、瞬間となりで美羽が慌てて言った。
「お、お兄ちゃんどどど、どうにかしてぇッ!」
美羽の涙混じりの懇願、対して俺は。
「わかったぞ!このお兄ちゃんに任せろッ!!!」
頼られたのがめちゃくちゃ嬉しく、そう声を張り上げていた。
ろくに案が浮かんでないのに、だ。
落下ダメージというのは勿論存在するので、しかも無制限中立フィールドは痛覚が2倍なので落ちたら物凄く痛いだろうことは容易に想像できた。
ので。
「来い!」
俺は心意の火焰を螺旋状にまとわせた槍を地面に瞬時に投げた、瞬間刺さったところを起点に火焰が広がり騎馬兵が6人ほど火焰の海から這い出てくる。
そう、俺の狙いはコイツらをクッション替わりにしてやろうというものだった。
別に敵意の無い奴には火焰は熱く感じないし実体はあるからいけるだろう。
そして2人は6人の火焰の騎馬兵に着弾、火焰の鎧の兜にはしるスレッドの向こうのアイレンズが一瞬、重さの衝撃×2に細められたことはきっと見間違いだろう。
騎馬兵を火焰に戻すのに並行して地面に足をつけると遠くから見ていた美織に俺は非難の眼差しを向けて言った。
「さあ...?なにか弁解でもあるかなぁ?み、お、りぃ?」
「あ、あっはははーじょーだんだってじょーだん!」
あっけからんと言う美織、もとい白金色のチャイナドレスアバターに俺と美羽は声を揃えて言った。
「じょーだん!?ふざけんじゃねえ!?」「二度とやらないでください!」