第7章 やっと、レベル4に、なりました
相手のデュエルアバターネームは【カールドボード・クリエイタ】と【グルウ・ナイフ】というそうだった。
うおー、すげー、ダンボールと接着剤て...。
そして対戦ステージは【宇宙ステージ】だった。
ちょうど昨日実装されたステージだった。
足場は所々に浮遊する岩石の塊だ。そして周りを取り囲むは黒い宇宙。
ブレインバーストのこれまでのステージのディテールはリアルとほとんど遜色なかったのだが普通宇宙なら凍りついてしまうのではないのではないだろうか?
....ま、いっか。
「そういえばお兄ちゃんレベル4になっていたんだねー!」
美羽は琥珀色の装甲が美しいF型アバター【アーバン・メープル】の姿で言う。
対して俺も火焰のように色を常に変える真っ赤な騎士型のデュエルアバター、しかし頭にはつばの広い三角帽子とマントがあり手には槍を持っている【バーニング・ウォーデン】の姿だ。
「ん...ああ。昨日の四時限目にな」
「へー、じゃあ私も」
「え?」
俺のあっけに取られた声と同時に美羽はインストメニューを呼び出してレベルアップファンファーレと共にレベルアップしてしまった。
「お、おい、今対戦中だろ...?」
「いいじゃんお兄ちゃん。まだガイドカーソルも消えてないしさ」
「....にしても相手さんは来ねえな」
「そうだね...こっちからも行こっか」
「そうだな」
「じゃあ競争だよ!」
「あ!おいっフライング!...て」
一足先に駆け出した【アーバン・メープル】が一度地を強くけった瞬間、無重力による慣性の直な反動で宙に浮かび...というより飛んでいきそうになったところを俺はギリギリでアバターの足を掴み飛んでくのを阻止した。
「あぶなっ」
俺は冷や汗をかいていった。
「うぉー...ちょっとこれは練習が必要そうだね」
「ああ、きっとこの無重力のせいで相手もろくに進めないんだろうな」
「ああー...確かにそうっぽそー」
「まあな地道に行こうぜ」
俺は美羽の琥珀色の手をとって言った。