第2章 なんか妹の様子がおかしいのだが....
押したあとにまず起こったのは視界いっぱいに広がるタイトルロゴが現れたことだった。
ニューロリンカーによって網膜に直接映し出されるその《Blaine burst》の文字に一緒に出てきた猛々しい炎のエフェクトの眩しさに顔を顰めた。
その後、インストールは30秒も続いた。ニューロリンカー用のアプリとしてはかなりの大きさだが俺が長年デジカメで収めた妹の写真のデータををニューロリンカーにごっそりと移した時にかかった時間に比べたら屁でもない。
そして燃え盛るタイトルロゴの下のインジケータ・バーが100%に達するとロゴは燃え尽きるように消滅しオレンジの残り火が英語フォント字で《ウェルカム・トゥ・アクセラレーテッド・ワールド》という文字を作ったがすぐにそれも消えた。
...『ようこそ加速世界へ?』なんだこれ?
俺の訝しげな表情にどうやらインストールできたのだと察し、美羽は直結したまま。
『よーし!じゃあ直結対戦しよっか!お兄ちゃん』
『ちょっと待て我が愛しの妹よ、加速?世界?なんだこれ?』
『うん?良く分からないけど、要するに脳細胞と量子レベルで無線接続しているニューロリンカーとこのブレインバーストを使って1000倍に思考を加速しようってやつ』
俺がまたまた質問をぶつけようとすると妹はそれを聞かずに叫んだ。
「バーストリンク!!!」
なぜ肉声!?
という俺のツッコミが聞こえたかは定かではない。