第2章 なんか妹の様子がおかしいのだが....
朝。
あのあと結局1時間粘っても(その際皇羽はずっと美羽の頭を撫でていた)目を覚まさないのでベットに美羽を移動させておいた。
もちろんお姫様だっこで、だ。
そして現在、美羽の作ったベーコントーストをかじりながら隣に座る美羽に何気なく言った。
「なぁ美羽。【B・B】ってなんだ?」
その単語を聞いた瞬間、美羽が突然咳き込んだ。
「な、なんでお兄ちゃんがブレインバーストを知ってるの!?」
「そりゃあお前がこの頃様子が変だからニューロリンカーになんかあるだろうと思い昨日お前が寝てるうちに調べた」
「あ、あの時に!?勝手に直結したのを怒るべきか、心配してくれた事を喜ぶべきかっ!?」
「まあ落ち着けって、でブレインバーストってのは何なんだ?」
「.....格ゲーだよ?フルダイブ型の」
俺は訝しげな目で言った。
「嘘だろう。それだけじゃないな、まだなにか隠してる」
「うっ...っ!?す、鋭いッ」
美羽はそう言ったあとしばらく唸っていると不意に手を「ポンッ」と打ち付けて言った。
「...お兄ちゃんもやらない?ブレインバースト?」
「それより、隠してることを言え」
俺の言葉に「聞くより体験した方が早いよ〜」と言って「ケーブル、ケーブルっとぉ」と直結用のケーブルを探し出した。
「あったあった、ま、まあ...短いけどいっか..」
ケーブルの長さは20cm、直結用のケーブルの長さがその仲の良さを表すと言われる今なので少々羞恥にたかれる美羽であったが意を決したように皇羽のニューロリンカーにケーブルを挿入した。そして自分のにも挿入する。
『さあお兄ちゃん、これから【B・B】を送るね』
直結すると音声会話をしなくても良くなるがわざわざ家の中でやる必要が?と思った皇羽だったが一応そこは黙っておいた。
『この【B・B】ことブレインバーストはねほかの人へのコピーインストールが一回しかできないの、まあ私もダウンロードできたし大丈夫でしょ』
いや、だから直結する理由は?
そう言いながら指で仮想テクスチャをスライドなりさせながら、とあるアイコンを送ってきた。
それは皇羽が昨日見た【B・B】のアイコンでこれがブレインバーストなのだろう。
おれは目の前に浮き上がるダウンロードのイエスボタンを躊躇なくタップした。