第6章 【ISSキット】治療。要するに直結な!
「もしかして...あれが【ISSキット】の本体か...?」
俺は妹の美羽である【アーバン・メープル】の行先を見て呻いた。
「え...あれって....な...ぇ?」
美織も行っている途中に気付いたのだろう途中で声を詰まらせる。
「なに...あの黒いの...?」
「【ISSキット】の本体だろう。たぶん」
「そ、そう...じゃあさっさっと接続を断ってしまってよ葉山っち」
「そうだな」
シルバー・クロウは最後に付け加えるように言っていた。
『【ISSキット】の本体は近づきすぎると逆に取り込まれてしまうから気をつけろよ。あ、心意技じゃないと通用しないから気をつけてね』
距離拡張、だったっけな。
俺は槍を垂直に地面に立てる。すると触れた槍の柄を起点に火焰が一気に燃え広がる。
「わきゃっ!?」
「あー...大丈夫だ。俺が敵と認識している奴しか熱いと感じないから」
美織もそう言われて安心したようで足元をチラチラと見ながらも驚きの悲鳴をあげた時よりかは落ち着いた。
「ねー...確かに『熱く』はないけどさ~?これ『暑い 』よ!?」
「...そんぐらいは我慢しろよ、ほらっお前の強化外装ってうちわだったろ?それであおいでろ」
「うちわじゃないし!扇子だし!加えていえば鉄扇!」
「あーはいはい。わかったから集中させろ」
俺がそう言うと美織はブツブツと何か言いながら強化外装である鉄扇...たぶん美織のアバターネームから見るときっと白金扇だろうが、それで扇ぎだした。
遠距離か...俺の騎馬兵は全員が近接の武器しか持ってないからなあ....。
あ、そうだ。銃持たせりゃいいんじゃねえか。
俺は心意を練り出す。美羽の為なのでパワー千倍。
銃を持つ騎馬兵....銃器兵....。
「ッ」
俺の頭に悲鳴が走る。だがここで諦めるわけには行かない。否、諦める筈がない。
全ては美羽の為に....!
火焰が園意志に反応するかのようにざわめく。
そしてついに火焰の銃器兵が顕現した。