第6章 【ISSキット】治療。要するに直結な!
「...ん...あ?」
緩やかな意識の覚醒とともに起きた俺が目にした最初の光景は横に倒れている【プラチナ・フオーリンフェン】の姿だった。
そのデュエルアバター姿からもしやと思い自分を見ると同様に【バーニング・ウォーデン】というデュエルアバター姿になっていた。なおちゃんと手には燃えるような輝きを放つ長槍が握られていた。
そう言えば俺のこの槍の名前ってなんて言うんだろうな...?
現在真っ黒のドーム状の道らしき所にいるが、ここがきっと【ISSキット】と本体を結んでいる接続回線なのだろう。
「...おい、おい起きろ美織」
俺は横で寝ている(はず)美織を揺すって起こす。
「...ぁ...葉山っちだあ....おは....よ?...てあれ?なんでデュエルアバター姿なの?これって夢?」
「あほ、俺らが何の為に直結して寝たと思っている」
そう俺が言うと美織が数秒の思考の後、思い出したかのように手をポンとうって頷いて言った。
「ああ!そうだそうだ美羽ちゃんの解除しにきたんじゃん」
「はあ...思い出したんなら行くぞ、あっちが明るい。きっとあっちだ」
「あっ、ちょっと待ってって、」
そんな感じで俺らは進み出した。
しばらくするとドーム状の道を抜ける。そこに広がっていたのは天に綺麗に広がる星空と、そこの見えない闇の広がる空間だった。
しかし床は指定されているようで透明ながら光の反射のある道らしきものがあるのがわかる。
他にも目を凝らしたら見えただろうがここが何であるか興味はないし調べる必要も無かったのでほっといた。
俺が「美羽はどこだ....?」と視線を巡らせていると隣に立つ美織が。
「あ!葉山っち!あそこに美羽ちゃんが!」
そう指をさしたのは闇の広がる底の方だったが俺はためらいも見せず指さされた方向を見る。
そこには闇の底へと不確かな足取りで歩く【アーバン・メープル】の姿が。
「美羽!」「美羽ちゃん!」
俺と美織は同時に駆け出した。
透明な道を美羽のほうに向かって駆ける。
しかし、俺は途中で気付いた。
「まてっ!美織止まるんだ!」
「え!?な、なんで葉山っち!?」
美織が素っ頓狂な声を上げるが俺には美羽の行く末にいる奴に目が行きそれどころでは無かった。
な、なんだ...あれ...?