第3章 レベル4に向けて、そしてISSキット
「!?」
【アクア・カレント】こと氷見あきらは息を呑んだ。
今まさにとどめの一撃をだそうとした瞬間、ギャラリーから声が響いたのだ。その瞬間【バーニング・ウォーデン】の身体から猛々しい火焰が揺らめき出たのだ。
【アクア・カレント】は落ち着きながらも、その中に驚きを混じらした声で言った。
どうやら大半のギャラリー達も同じようなリアクションで目を見開いていた。
「過剰光なの...!?」
しかしそれだけでは終わらない。
【バーニング・ウォーデン】の背後から火焰が陽炎のように揺らめきだしたのだ、そしてそれはモノの数秒で形をとり火焰でできた騎馬兵を無数に創り出す。
「すまないな...大事な妹に「勝ってくれ」と言われたからには負けるわけにはいかないんでな...良く分からないがこの力を...行使させてもらうぞ」
そう言い俺は携えた長槍を使い立ち上がる。
【アクア・カレント】はたったレベル2の、ニュービーと言っても過言ではない者が《心意システム》を使ったことに呆気にとられ、数歩後ろに下がる。
「..ストップなの、貴方は...それを誰に教わったの?」
「それ...?この後ろの騎馬兵のことか?知らん、イメージしたら出た。それだけだ」
【アクア・カレント】は今度こそ驚いた。なんとこのニュービーは修行も無しに、しかもその存在を知らずに《心意システム》を使ったのだ。
「...わかったの、今回は私の負けでいいの」
「は、ええ?」
「その代わり後の残り時間を《クローズド》で話さしてなの」
《クローズド》...てあれか、デュエルモードの一つでギャラリーをの観戦をできなくするという....。
「...ああ、俺は構わないが....?」
「わかったの、それじゃあ...」
そう言い【アクア・カレント】はインストメニューを開きデュエルモードの変更をする。そして俺の目の前にクローズドモードにするかのイエスとノーの選択画面が表示される。
対してギャラリーはその様子からどうやら《クローズド》にすることを悟った様子だった。
俺はその中から美羽達を横目に見たあとイエスをタップした。