第3章 レベル4に向けて、そしてISSキット
その言葉は俺にとっては魔法の言葉。
両親の愛情を得ずに育った中で唯一一緒だった妹の嘆願。
俺の大切な妹の祈りの叫び。
俺は妹の為ならなんでも出来るはず、否、出来る。
勝つためには力が必要だ。美羽の大波のような全てを押しつぶせるようなそんな力が。
北欧神話に出てくる俺のデュエルアバターのネームについている【ウォーデン】、またを【オーディン】は死の神や魔術の神などと呼ばれている。
そしてオーディンは死者の軍隊を持つという。
バルキリーたちが集めてきたその死者たちを毎日稽古し祝宴を開いているとか。
そして俺が注目し抽出するのは「死者の軍隊」というワード。
その死者の軍隊を頭の中にイメージする。鎧はすべてを防ぐ加護の象徴。
その剣は全てに仇をなす力の象徴。
跨る騎馬は瞬足、そして時の流れを司る。
そして心は火焰、純粋な闘志。
色彩は燃えるような【赤】【朱】【紅】【緋】....。
俺はそのイメージを開放する。何故かそうなるとわかったのだ。
俺はまだ気づいていなかった。
これはブレインバーストの本質、《インカーネイトシステム》またの名を《心意システム》。
強固な人の意思はこの加速世界を上書きするのだ。
そしてそれは具現化した。