第3章 レベル4に向けて、そしてISSキット
ちなみにさっきの一撃、俺の体力ゲージが一割半も削れた。
よって俺の新しいアビリティである【プロポーテンリカバリー】が発動する。
俺の装甲の周りに白い蛍のような光が舞い始めた。そして必殺技ゲージが徐々に増えていく。
その現象を見たギャラリーがざわつき始める。
そして【アクア・カレント】が少々呆気にとられた後言った。
「....どうして必殺技ゲージが回復していくの?」
「...そういうアビリティだ」
その控えめな会話は【アクア・カレント】がいることもありいつもの数倍はいるギャラリーにも聞こえていた。
「な、なんだって!?そんなアビリティ聞いたことがないぞ!?」
「俺もさ!おい!誰か落ちて知らせてこいよ!?」
「どうせ1.8秒なんだから今落ちたって変わんねーよ!」
え?そんな騒ぐこと?
「....それはレベルアップボーナスなの?」
「え?ああ、【プロポーテンリカバリー】って言うのだったっけな」
「...比例回復、そういう意味なの....」
【アクア・カレント】はそう独りごちてから。
「じゃあ貴方を倒すには一発で倒すぐらいしかない、ということなの?」
「たぶんな」
そう俺が言うと「そうなの」と言って【アクア・カレント】は手の平をこちらに向けた。
「じゃあこれでどうなの」
そういった瞬間【アクア・カレント】の流体型装甲の一部が高圧の水弾として射出された。
俺はギリギリでなんとかそれをよけると後方にジャンプし既に半分以上チャージされた必殺技ゲージを横目に見て叫ぶ。
「【グングニル】!!!」
自分のアバターより一回りはある赤長槍を投槍。
閃光とともに射出される長槍。
その勢いに【アクア・カレント】は軽く目を見張った後、今度は流体型装甲が前に出された手を起点に紡錘型の水塊を作り閃光と共に空を裂く【グングニル】を金属音と青と赤の混ざったライトエフェクト共に受け止める。
俺はそれにさして動じずに...とゆうか相手がレベルが上な時から覚悟はしていたのだ。まあ、泥濘む地面を踏んで駆け出した。
「...貴方は本当に遠隔の赤なの?」
少々戸惑い混じりの、しかしそれでいて冷静な声で【アクア・カレント】は高速で近づく皇羽に言った。