第3章 レベル4に向けて、そしてISSキット
【アロエ・ピジョップ】の巨大アロエの必殺技を塗りつぶそうよに出てきた美羽の必殺技はメープルシロップの間欠泉だった。
それも複数。
フィールドが黄金色のメープルシロップによって満たされていきあっという間に膝下ぐらいに溜まった。
「な!?ちょっとなんなのよこれッ!?」
「まだだよっとー...せいっ!」
美羽がそう叫び腕を上に上げる。
「こい!大波よっ!」
その掛け声とともに「ゴゴゴゴゴゴ....!」という地響きがフィールドに響く。
「な、なによ...?こ.....ふぇ?」
メープルシロップによって不自由にしか歩けない今、粘性の高いメープルシロップによって足取りが取れない焦りと異様な地響きによる生理的恐怖を引き出しす。
そして美羽こと【アンバー・メープル】の後ろから大波が出現する。
「いっけー!メープルウェーブ!!」
「アロエ・ピジョップの緑の装甲はそのメープルシロップの濁流に飲まれていった...とぉ。ね?大ジョブだったでしょ?葉山っちぃ?」
「おお!勝ったぞ!我が愛しの妹が勝った!」
ガッツポーズで俺は喜ぶ。
ちなみに【アロエ・ピジョップ】の体力ゲージは徐々に減っていき...多分壁とかにぶつかったりしたのだろう。
そんな二人に声を掛ける人影があった。
「ちょっといいかしら?【バーニング・ウォーデン】、そして【プラチナ・フオーリンフェン】?」
話しかけた人影とは空色の装甲を持ったF型アバターだった。
「...あんた誰だ?」
「私は黒の王が率いるネガネビュラスの副長、【スカイ・レイカー】という者よ」
「....えーと、ごめん。ネガネビュラスってなに?」
瞬間、即頭部への衝撃。そして強引に後ろを向けさせられる。
「(ちょっと葉山っちぃ!ネガネビュラスをしらないの!?)」
「(いやだってインストールしたのは昨日だし)」
「(んもぉ!これだからニュービーはぁ)」
そんな感じに話していると【スカイ・レイカー】が声を掛ける。
「...ところでいいかしら?続き」
「ぇ?いいですよ!うん、ね。ウォーデン!」
「あ、ああわかったよ。わかったからヘッドロックはやめろ!」
【スカイ・レイカー】は苦笑い気味に言った。
「...じゃあ本題ね、貴方達、レギオンに入る気はある?」