第3章 レベル4に向けて、そしてISSキット
《YOU LOSS!!!》
そんな通知が目の前に広がった。
そしてデュエルアバター→仮想アバターというフェイズで戻っていき次の瞬間視界に広がったのは現実の景色だった。
対してリアルの俺はバスケットの授業中であり現在進行形でボールが迫ってきている。
しかし、俺はそれどころではなかった。対戦の最後に身体を3つに切断された仮想とは侮れない痛みが残っているのだ。
「あだだだだだたッ...ゴフッ...!?」
悶えて地面に転がろうとした瞬間、顔面にボールがヒットし、今度こそ俺は力尽きたように地にへばった。
慌ててクラスメイトが近づいて来る。「保健室につれてけー!」とさけぶものや「うおぉ!顔面にっ!痛そぉ」と俺をつつくもの。
つついたやつ、後で覚えてろ。美羽の名において滅殺シテヤル。
そんな中人垣の中から俺の良く知る保健委員さんが顔を出す。
「おっ!私が連れてくよ葉山っち」
そう言いて慣れた手つきで俺を起こす。
「....美織、お前覚えてないとは言わせないぞ..?」
「まーまーその話は後で後でぇ」
そうして俺は切断された痛みによって身体の力が入らないなか、引きずられていった。
保健室。俺は美織に問いかけた。
「...で、なんで美織がブレインバーストをやってるんだ?」
「え?美羽ちゃんから聞いてないのぉ?美羽ちゃんの【親】は私なんだよ?葉山っちぃ♪」
「なっ!?」
対戦して相手のアバターが美織だとわかってから薄々と思っていたがまさか本当に.....。
しかし俺にはそれよりもっと重要な事があった。
「美織貴様!美羽と直結したな!?」
そう!俺以外の人間が妹と直結したことが問題なのだ!
「そこ怒るとこ!?普通なぜブレインバーストやってるか聞かないかなぁ葉山っち」
「いや、そこは別にいいんで」
俺は真顔で言ってやった。
「なんで!?美羽ちゃぁん!葉山っちが酷いよぉ」
は?美羽?え、いんの?
そう思い周りを見渡す。
そうすると保健室の扉が開き俺のマイエンジェル美羽が入ってきた。
「じゃーん!お兄ちゃん!驚いた?」
わあ、マジ天使美羽!可愛い愛でたい撫でたい今すぐ持って家に帰りたい.....て、どうせ家じゃ二人きりじゃん。
よし、ひとまず冷静に冷静に、と。