第43章 ファイナルセット
《優勝!!優勝です!!!全日本男子優勝しましたぁーー!!》
別会場で行われていた全日本男子バレー決勝。
今年は男子も女子もほぼ同時開催で
決勝が同じ日だった。
勝ったことへの喜びもそこそこにチームメイトでもある飛雄たちと一緒に女子の決勝の会場へ向かった。
会場へ入ってすぐ、スコアを見た。
今は4セット目。てことは1セット取られたのか?
コートに目を向けると優がベンチに座っていた。
牛「なぜ優がベンチにいる」
「そんなの俺だって知りたいよ!」
岩「左脚押さえてる。多分捻挫かなんかだ。」
ここからじゃ遠くて優の表情は見えなかったけど、不本意な事は確かなんだろう。
影「こんな相手、優さんがいればあっという間なのに、、、」
分かってる。
ここにいるみんなも、会場で応援してる観客も、選手達も。
優本人も。
「見てらんないねー、、、」
もう終わりだなんて思ってないよね、優?
俺は大きく息を吸い込んだ。
「優ーーーー!!!」
あれだけ騒がしかった会場は時が止まったかのように静かになった。
「俺ら!!勝ったからな!!」
岩「ぜってえ負けんなよ!!」
約束、しただろ。