第42章 第41セット
*優side*
はじめを引っ張りながら玄関まで連れて来て先に外に出た。
岩「夜だし危ねーからここでいいぞ。」
送っていくつもりでいた私はへ?なんてアホみたいな声を出してしまった。
岩「それに、そんな格好して出歩かせられるかよ」
部屋着に着替えた私はタンクトップに大きめのパーカーを羽織ってショートパンツという至って普通な格好。
「んー?変?」
岩「変とかじゃなくて無防備にも程があんだよ誘ってんのかボゲ」
唇を尖らせながらそっぽを向いたはじめが何だか可愛らしくて胸がキュンとなった。
「はじめかわいいー」
岩「こんなゴツい男にかわいいとか言ってんじゃねーよ」
そうかもしれないけどやっぱり
「かわいい」
岩「ったく、、、明日は烏野行くんだろ?」
「あー、、、うん。」
一気に現実に引き戻されてしまった。
岩「さっきも言ったけど、お前がそこまで気にすることはねえんだ。同情される方が惨めになる。だからスパっと行って来い。な?」
「うん。」
岩「じゃあまた明日な」
「ばいばい。また明日」
遠くなる背中を見つめながら迷いを打ち消した。