第42章 第41セット
はじめと付き合い始めたその日のうちに
徹には家に行って返事をした。
付き合えない。
そう言うと分かっていたようにやっぱりねって笑った。
徹曰く、
「優の心の中心に岩ちゃんが居たのは分かってた」
らしくて振られる覚悟もできていたそうだ。
つとめて明るく話していたけど
その表情は泣くのを我慢しているようで
胸が締め付けられた。
「徹、私を好きになってくれて、ありがとう。」
言った瞬間、涙が止まらなかった。
とおる、あなたは私の初恋でした。
ありがとう。
及「幸せになんなかったら奪ってあげるから覚悟しなよ」
私の頭をわしゃわしゃと撫でながらそう言った徹の表情は、頭を抑えられていたせいで見えなかった。
及「ほら、岩ちゃんとこ行ってきなよ」
そのまま部屋を追い出されて、気になりつつも戻ってはいけないと思って徹の部屋を出た。