第40章 第39セット
どちらも譲らないまま、点数は22対23。
サーバーは、徹。
キュッ キュキュッ
思いっきり反った身体から放たれたボールは
コートの内側へ叩きつけられた。
あぁダメだ。抑えきれない、、、。
隠れていたところから一歩、また一歩踏み出した。
ギャラリーの階段を一段一段下りて行く。
ピーーッ
烏野がタイムアウトをとった。
あー、声の出し方ってどうやるんだっけ
半年近く前だから忘れちゃった
けど、今言わなかったら
いつ伝えればいいんだろう
「あれ?おい!あそこに居るのって、、、」
「あ、優さん!」
「優さん来てたの!?」
私に気づいた応援の子たちがざわつき始めた。
今は気にする余裕なんてないんだ、ごめんね。
「、、、っ、、、」
やっぱり出ない。
もう二度と出ない?
そんなの、、、絶対嫌だ、、、