第6章 第5セット
*Story side*
―第2セット開始―
烏野のサーブから始まった。
青城のスパイクにより乱れた烏野。
レフトとライトがトスを呼ぶ。
勢い良く、飛び出してくるセンター。
セッターから出されたトスを全力でスイングする。
しかし、、、そのトスはアタッカーの手には当たらず、
ネットへ当たる。
怒られると思った日向は身を縮こめるものの影山が謝り、青城が少しだけ混乱した。
青城サーブ。
綺麗にセッターの位置に上がり、センターとライトが動く。レフトも待機している。
ことは一瞬だった。
気がつけば青城側のコートにボールが落ちていた。
体育館がどよめく。
そこから烏野の逆襲が始まった。
コート上で一番下手くそな烏野の小さな彼が青城のブロックを分散させる。
素人目には凄いのは日向だが、最も恐ろしいのはセッターの影山。
日向がどこに飛ぼうとも振り下ろされる掌にピンポイントでトスを上げる影山の技術のほうだ。
しかし日向の凄さは機動力もさることながら100%、セッターのトスを信じ飛んでいること。
あの影山が他人に合わせるというのは、過去の影山を知っている者なら考えられない事だったが、そうさせる何かが日向にはあるのだろう。
ちぐはぐで危ういながらも素人紛いを中心とし、変幻自在の攻撃を繰り出す。
翻弄されるというのは正にこのこと。
そして烏野は2セット目を取り返す。