第26章 第25セット
*西谷side*
俺が女で初めて憧れた選手。
初めてスパイク打ってもらいてーと思った選手。
その人が今目の前にいる。
旭さんとは違う、テクニック型のアタッカー。
元リベロなだけあってしなやかなレシーブ。
アタッカーの打ちやすそうなトス。
多彩なスパイク。
及川並のサーブ。
もっともっとこの人と戦いたい。
その願いも叶わずBチームのマッチポイント。
サーバーは優さん。
正直勝つのは厳しい。
何なら、俺のとこに。
俺のことにサーブください!!!!
ひたすら念を送ると気づいてくれたのか
優さんは笑った。
笛がなり、何の音も無く助走を始め、
勢い良くボールを打ったと思ったら
気づけば俺の横にボールは落ちていた。
一歩も動けなかった。
日向が隣で騒いでる。
すげぇ。すげぇ。すげぇ。やべぇ。何だ今の。拾いてぇ。上げてぇ。何なの見たことねぇ。今度こsピーーーーッ
( ゚д゚)ハッ!
笛の音でハッとし急いで整列した。