第26章 第25セット
*月島side*
最初はよくわかんない人が来たなって思ってた。
敵情視察かとも思った。
青城のマネージャーだし。
辞めたって言ったときは驚いたけど、、、
烏養コーチから聞いた、彼女の異名。
耳にしたことはあった。
でも、まさか目の前の彼女だとは思いもしなかった。
異名も付くくらいだから影山とか牛若みたいにトゲトゲした近づきがたいようなタイプだと思ってたから。
前に影山に泣きついていた印象が強かった僕は
みんなとすんなり打ち解けて笑顔を見せる高崎サンを見ると少しだけ戸惑った。
一緒に練習をすると彼女のプレーはとても綺麗で、次第に魅入ってしまうような感じ。
サーブは、、、ノーコメントで。
ゲームをしていて、異名の意味がわかった。
ボールをまるで操るように的確に打ち込み、ブロックアウトを獲っていく。
嫌なスパイカー。
オールラウンダーって聞いたけどそこまででも無いじゃん。
でも、2試合目の一本のトスでそれは崩れ去った。
影山のように正確なワケじゃないけど、すごく
打ちやすかった。
しかもあの位置から。
この人は、すごい。