第25章 第24セット
*優side*
トッ トッ トッ
規則的な音で交互に送り出されるボール。
この指にすっとおさまるような感覚。
ボールを送り出したあと見える体育館の天井。
あぁ。好きだなぁ。
菅「優ちゃん、トス上手すぎるし!
次アンダーね!」
トンッ トンッ トンッ
再び鳴る規則的な音。
何度も何度も何度もボールを受けたせいで染み付いた感覚。
ボールが腕に当たる心地よさ。
全て覚えてる。
菅「俺より上手いし!何なの優ちゃん!」
そんなことないよ。
苦笑いで返す。
菅「じゃあ対人しよっか!」
トンッ トッ バシッ
少し乱れながらも続く音。
軽快な音を響かせ、程良い痛みのある掌。
続くごとに苦しくなる呼吸。
あぁ。ホントに楽しい。
気づけば周りの部員はパスを止め、私達の対人を見つめていた。
き、気まずい、、、。