第23章 第22セット
*優side*
今日は金曜日。
私が青城バレー部(ココ)で泣く、最後の日。
練習を観察しているといつものように聞こえるコトバ。
最後くらい、笑顔でいてやる!
そう決めて笑顔を見せるけど、それはやっぱりツクリモノで、仮面のようになってしまう。
最後だというのに、いつもより浴びせられるコトバが多く、鋭い。
そして今日も耐え切れず、秘密の場所へ向かった。
泣いているとばれないように春ちゃんにデータ入力してくると伝えて、、、。
これで今日は来ないだろう。
溜息をつき、ボーッと空を見る。
今はまだ太陽が出ている。
そういえばあの時は曇ってたっけ。んで夜だったなぁ。
一静と初めてまともに話した日。
あの日も私は一人になる為にこの場所に来た。
いくら好かれやすいとは言え、みんながそうではなかった。
嫉妬ややっかみはあった。
それが辛くてこの場所に来たら先客がいた。
それが一静だった。
一静を見ていると自分のようで思わず抱きしめてしまい、でもそれで本音が聞けたんだから良しとはしているけど、今思えばなんてことしたんだろうと思う。
思い出にふけっているうちにまた自然と涙が出てきた。
まーだ出るのかぁ、、、ははッ、、、
自嘲気味な笑みが溢れる中、ふと時計を見ると休憩の時間。
まぁいいや。来るはずないし、、、
そして、膝に頭を乗せ自分の殻に閉じこもろうとすると
松「俺、そろそろ怒るよ?」
来るはずのない彼が来た。