第21章 第20セット
*及川side*
岩「オイ。クソ川。どこ行くつもりだ。」
「んー?もーちょっとだよ」
グジグジ言われながらも連れてきたのは俺の隠れ場みたいなとこ。
女の子に追い回されたりするとよくここに来る。
ここは誰も来ないから落ち着くんだよね。
知ってるの優だけだったし。
岩「んで?話ってなんだよ」
わーいらいらしてるぅー
「そんなの、優のことに決まってるじゃん。」
岩「、、、知るか。あんな奴。」
は?アンナヤツ?
「岩ちゃんは、ほんとに優が理由もなしに手を出す子だと思ってんの?」
岩「さぁな。ただ、奏は俺の話をしていたら叩かれたって言ってた。
俺のことがまだ好きだから嫉妬したんじゃないかって。」
「それ、信じてんの?」
岩「奏がそう言ったんだ。」
「だから。それを岩ちゃんは信じてんのかって聞いてんだけど?」
岩「、、、、、、。」
何黙ってんだよ、、、。
「、、、ッ信じてるんだとしたら勘違いもほどほどにしたほうがいいよ。
優はもう岩ちゃんなんか想ってない。
それに、嫉妬なんて言う“くだらないこと”で優が怒ったりにしないこと、岩ちゃんが一番良く知ってるくせに。」
そう言うと俺から目を離し地面を睨みつけた。
「大切なものを無くしてから気づいたんじゃ遅いんだよ?
優は俺がもらう。」
聞こえるようにつぶやき、俺はその場を去った。