第18章 第17セット
*国見side*
朝のことがあってからずっと考えていた。
俺は優さんに憧れていた。
コートを自由に跳びまわり、次々に点を決めていくあの姿に。
そして憧れはいつの間にか
好きに変わった。
けど、優さんは及川さんと岩泉さんに好かれていたのを知っていたし、勝てるはずがないと思った。
優さんが中学を卒業して、この恋は諦めたつもりだった。
でも、高校で優さんを見つけて、一段と綺麗になってるのを見て、好きだった気持ちを思い出してしまった。
優さんには岩泉さんが居るってわかってた。
それでも、諦められなかった。
声が出なくなった優さんに対して冷たく当たる岩泉さん。
つらそうな様子を見て思わず抱きしめたこともあったけど、やっぱり優さんの目に俺は映っていないんだろう。
岩泉さんのことは尊敬してる。
でも、優さんを泣かせるなら話は別だ。
新しく入った柴崎先輩も、優さんをこれ以上傷つけるなら
絶対に許さない。
ライバルも多いし、俺なんか眼中にないのも知ってます。
でも、もっと頼れる男になるから
俺を選んで?