第14章 第13セット
その頃から徹は、今まで以上に練習に打ち込むようになった。
見ていて辛くなるほどに。
オーバーワークばかりだった。
この時から私は今まで以上に徹のことを気にするようになった。
、、、月日は流れ、私達は3年生になっていた。
徹たちは白鳥沢に阻まれ続けた。
そして、徹の背後に天才が現れ、若くんという壁もあり、徹は余裕を失っていった。
ある日、私は徹に注意した。
「徹、、、練習し過ぎだよ?怪我する。」
無言でサーブを打ち続ける徹。
私は悔しくて徹に抱き着いた。
及「えっ?ちょっと!何してんの!」
「お願いだから、、、無理しないで。徹に怪我して欲しくない。」
及「ごめん。心配させて。でも、もっと強くなりたいんだ。」
そう言って私は離された。
こんなことになって初めて、私は何も見えてなかったんだと気づいた。
いつも傍にいてくれた。
辛いときは慰めてくれた。
我慢しなくていいと言ってくれた。
そんな徹のことを私はちゃんと見れていなかった。
努力の影にある不安に気づいてあげられなかった。
その後も徹はオーバーワークを続け、一に止められた。
ある日を境に吹っ切れた様子の徹を見て、安心した。
これからはもっと気づけるようにしようと決めた。