第10章 第9セット
*岩泉side*
練習試合が終わり、明かりのついた体育館を覗くと
及川がひたすらサーブを打ち続けていた。
影「及川さん。サーブ教えて下さい」
精神的に追い詰められていたアイツは影山を殴ろうとしていた。
ギリギリで止め、影山を帰した。
「ー今日の交替はお前の頭を冷やす為だろうがよ。ちょっとは余裕もて」
及「今の俺じゃ白鳥沢に勝てないのに、余裕なんてあるわけない!!俺は勝って全国に行きたいんだ。勝つために俺はもっと」
ブチッ
「“俺が俺が”ってウルセェェエ!!!」ゴヂーン!!
及「!? !!?」
「てめぇ一人で戦ってるつもりか、冗談じゃねーぞボゲェッ!てめーの出来が=チームの出来だなんて思い上がってんならぶん殴るぞ!」
及「もう殴ってるよ!」ボタァッ
「一対一で牛若に勝てるやつなんかウチにはいねえよ!!けど」
「バレーはコートに6人だべや!!」
「相手が天才1年だろうが牛若だろうが、“6人”で強いほうが強いんだろうがボゲが!!!」
及「『6人で強いんだろうが強い』、、、、、、ふ、、、ふ、、、、ふふふ、、、あーーーーー」
「スマン強く頭突きしすぎたか、大丈夫か!?」
及「はァーー、、、うん、、、何かなんだろうなコレ、、、俄然無敵な気分!ていうか岩ちゃん悪口“ボゲ”しか言えないの?」
「右からも鼻血出してやろうか」
それからの及川はなにか吹っ切れたように今まで通りのプレーができるようになった。