第10章 第9セット
*及川side*
ー高校2年の時、優秀だった中学の後輩の異名を聞いた。
“コート上の王様”
なんて誉れ高い異名だと思った。
でも試合を見て“意味が違う”と分かった。
力がある
才能がある
勝利に対して貪欲
他人よりも圧倒的に。
それが飛雄を強くし
そして、唯一の弱点になる
飛雄。
お前は天才だ。
あのチビちゃんであんな攻撃を使えるのはお前しかいない
でも他はどうだ?
3番の彼はもう少しゆったり上げてあげれば、ちゃんとブロックと勝負できる力量があるんじゃないか?
メガネ君はお前のトスを信頼して本気で打っているか?
個性が違うスパイカー達、
それぞれ100%を引き出してこその
セッターだ。