第3章 地位の確立
暫くすると兵士がぞろぞろと部屋に入ってきた。
ハンジとリヴァイの手伝いもあって直ぐに講義を始めれる状態になった。
「私は104期のコルネリア・ドリスです。
今回私は医療班の班長として皆さんに少しですが医学について講義をさせて頂きます」
同期以外の兵士達は少し怪訝そうに見つめてくる。
その様子を見て苦笑いしながら話を続けた。
「新兵の私が異例ではありますが医療班の班長になりました。
しかし、今現在医療班は私1人しか居ないのは事実です。
壁外での怪我人の手当ては私1人では無理があるので、今回は私の医学知識を少し知って頂きたいのと同時に、もし壁外で皆さんの手伝いが必要な時があると思います。
なので、嫌かもしれませんが少しだけ医学を学んで頂けたらと思います。
まずはお手元にある資料をご覧ください」
そう言って講義が始まった。
1番後ろの席には幹部達が座り、兵士の様子を観察する。
それを知っているのか兵士達はコルネリアの講義を真剣に聞いていた。
講義が終わると兵士達は呆気に取られた様子でこちらを見てくる。
その様子にエルヴィンは満足した様だった。
講義後、片付けをしているとエルヴィンが傍にやって来た。
「君の講義は素晴らしかったよ。
難しい事も分かり易く説明していたし、兵士達も君を認めている筈だ」
その言葉に嬉しく感じているとリヴァイとハンジもやって来る。
「コルネリア、凄い才能だね」
ハンジは褒め言葉を言ってきたが、リヴァイは何も言わなかった。
そして少し間を開けて彼は突然口を開いた。
「今少し話をする時間はあるか?」
「一応あります」
「なら俺の私室に来い」
そう言っていつもの如く部屋を出て行く後ろ姿を見てハンジは笑いながら話した。
「きっとリヴァイはコルネリアの事が凄く好きなんだろうね~」
からかう様に言うハンジを冷たい目線を送りながらエルヴィンが話しかけてくる。
「リヴァイは今晩また旧兵舎に戻らなくてはならない。
行くなら今のうちだよ」
それを聞いて「では行ってきますね」と言うとリヴァイの私室へと向かった。
道中にある自分の私室に資料を置いてから部屋へ向かい、そしてノックをすると返事が返ってきたのでコルネリアは部屋の中へ入った。
部屋に入るとリヴァイはソファーに座り紅茶を飲んでいた。