第7章 旅行編
「うん、良かったね偉いよ!というか俺も出口から出れるとは思ってなかった」
感動しながら喜んでいるアルの頭を撫でたいなぁ、と思って少し手を動かした時に
(あ、ここ外だ。成人男性が19歳の男の頭を撫でたら流石におかしいかな)
と思い手を引っ込めた。
「あー、このお化け屋敷攻略すんの結構時間掛かったなぁ、入ってから1時間経ってやがる」
アーサーは携帯を見て何故か悔しそうに呟いた。
というか、アーサーはこのお化け屋敷をスリル&度胸試しではなく攻略を目的としていたのか。
アーサー1人で入ったら驚かそうと思って出てくるお化けを素通り&真顔で一定の速度で歩いて直ぐに出てきそう。多分最速で。
あ、そういえばアーサーってイギリスだったなぁ
「確かイギリス人って魔術とか幽霊とか好きなんだったっけ?幽霊の住んでいる家とか値段が上がるんだよね」
(日本ではそんな事絶対あり得ない…。)
「あぁ、そうだな。実際俺魔術使えるからなぁ」
「…………えっ」
「あれ魔術ごっこだろう?俺はそういった非科学的なものは信じないからね!この世にあるものは科学で全部証明できるんだ!」
「幽霊がいないって思ってんなら怖くねぇだろ
そういえばさっきあの屋敷で…………「止めてくれよ‼︎‼︎」
あ、アーサーが魔術を使えるだと……‼︎
んで、アルは科学が絶対…と。
正反対なんだなぁ。
1時間歩き回ってずっと身体に力を入れていたから少し喉も渇いたし疲れてしまった。
適当に飲み物を買ってそれを飲みながら次乗るアトラクションを考えれば良いと思い
近くにベンチないかなーと思い周りを見渡すとちょうど良く空いているベンチがあった為、そこに2人を座らせて俺は飲み物が売っている店に小走りで向かった。
「おまたせ、はい」
アーサーには紅茶を、アルにはコーラをそして俺はお茶を頼んだ。
「飲み物3つ持つの大変じゃなかったかい?」
「別にそれくらい大丈夫だよ、でさ次何乗りたい?」
「ジェットコースターに乗りたいぞ!」
「……………まじか」
「もしかしてアーサー、絶叫系苦手?」
アルはキラキラと目を輝かせてジェットコースターに乗りたい!とはしゃいでいる横を見ると顔を青ざめていた。
するとそれを見たアルは、楽しそうに
「アーサーは絶叫系苦手なの知ってるぞ、早く行こう!」
「この野郎!」