第5章 俺の気持ちは
イギリス視線
「………………ぁ、アル」
アルが帰ってきて直人が風呂に行き、アルとリビングで2人きりだ。
アルと直人の事について話さなければいけないのだが、アルに直人の事が好きだという事を隠してアルが風呂に入っているときに好きだと言ってしまった自分の事をアルはどう思っているかで俺は気が気では無かった。
冷や汗をかきながら横に座っているアルに顔を向け名前を呼ぶ。怒っているかと恐る恐る顔を見ると「なんだい?」というようなきょとん、とした表情をしていた。
(……。怒ってねぇのか?)
名前を呼んだにも関わらず顔を見たまま何も言わない俺の事を不審に思ったのか前のめりになって俺を見る。
「なんだい?…アーサー?」
「あ、すまん…あ、あのな、さっき…」
「もー、そんなにオドオドしないでくれよ…もう分からってるんだからさ、それに直人が2人っきりの時間を作ってくれただろう?
俺とアーサー、なお、3人で恋人になるって決まったじゃないか」
「そうなんだけどよ、アルは嫌じゃねーのか?」
直人にはいつ離れるのがわからないなら別に恋人が2人でも良いよね、的な事を言っていた気がするけれど…アルは嫌では無いのだろうか?俺はアルが嫌だっていうのなら…おれは……。
「何言ってるんだいアーサー、嫌なわけ無いじゃ無いか!なおが言ってたぞ、俺もアーサーも同じくらい好きで愛するって!
俺もアーサーもなおのことが好きで、なおも俺たちのことが好き、なら…細かいことは気にせず3人で恋人になればオーケーじゃないかい!」
(本当…こいつは…かなわねぇな)
笑顔で俺に問いかけてくるアルにつられてさっきまでの沈んでいて不安だった気持ちがどっかへ飛んで行ってしまった。
「ははっ…そうだな」
「あ、というかアーサーに聞きたいことがあるんだよね…アーサー、男と、その…した事あるかい?」
「したこと?何を……あぁ、セックスの事か。
まぁ、最近はねぇけどあるぜ?」
昔、男と女を適当に食っていた時期があったのだ。俺はバリタチで男とヤった事があるとはいえ、ケツは使った事が無い。
(それが何だって言うんだ?)
そう返答をアルが聞くと顔を少し赤くさせた。
「あ、あのね……男同士のやり方を教えて欲しいんだぞ」