第5章 俺の気持ちは
「……俺とアーサー、どっちもすき、かぁ
…ねぇ、アーサーと俺、本当に同じくらい好き…?
お、同じくらい愛してくれる…?」
(あ…アル、震えてる……。)
ぐっと、俺を包んでいる腕に力が込められ、背中に触れている身体はふるふると震えていて俺は今すぐに正面で抱きしめてあげたくなった。
「…アル、ちょっと離れてくれる?」
「えっ……うん…」
言い方がいけなかっただろうか、ゆっくりと離れたアルの顔を見ると悲しげで不安そうな表情をしていた。
「俺よりも…っ!アーサーの方がっ、…!」
誤解した声を上げるアルを遮るようにアルに力強く抱きしめる。
「そんな訳ないでしょ、アルもアーサーも平等に愛すよ、嫉妬する暇が無いくらいに愛してあげる」
抱きしめて、耳元でつぶやく。アルの表情は分からないが息を飲む音と耳が赤くなっているのが分かった。と、言うことは顔も赤くなっているのだろう。
見たいと思い抱きしめている身体を緩め、顔を合わせるて目が合うと赤くしていた顔をもっと赤くさせ、俺の視線に耐えられなかったのかギュッと目を瞑ってしまう。
「アルは可愛いなぁ、堪んないよ」
目を瞑っているアルを少しの間堪能してから俺より背の高いアルを自分に近付けさせる為に首の後ろに腕を回しグッと顔が下に向くように力を軽く入れる。
「うっ……わッッ⁉︎」
俺の行動に目を瞑っていて気付かなかったアルは突然首の後ろを押され驚いた表情をする。
そのまま俺も顔を上げ、鼻がぶつからないように顔を傾ける。そしてそのまま………
アルと俺の唇が触れ合った。
俺からキスされると思ってなかったのか触れ合った瞬間アルは目を見開くが、一度口を離し目が合ってもう一度今度は2人が引き合うように口と口を重ねるとアルは目を閉じていた。
数秒間触れていた唇を俺はゆっくりと離した。
「は……っ、なお……」
「突然ごめんね、したくなっちゃって」
ずるっと、首に手を回していた右手を外しながら身体も離れる。
離れた時の表情も俺には堪らなくて…顔を赤くしながら目を細めてて…
(あぁ、可愛いしエロい)
「嬉しいぞ…っ、なお
なおからキスしてくれるなんて思ってなかったから…」
アルはさっきまで触れていた感触を思い出すように自分の唇に触れ、泣きそうな顔で微笑んだ。